状態:NGC-AU58(EF+/極美状態+)
このコインは、インド北部の藩国、アワドで1847年に発行されたモハール金貨です。
アワドは16世紀にムガール帝国の傘下に入りましたが、同帝国の弱体化に伴って、1700年からは半独立状態にありました。アワドが正式にムガールから独立したのは、1819年のカーズィーウッディーン・ハイデル(在位1819年から1827年)時代です。
同王の時代には、ムガール様式を踏襲したモハール金貨を発行していますが、オモテには同王の紋章「2匹の魚、その両横にトラ」が描かれています。
アワド藩国では、それ以降4人の藩王が王位に就きましたが、本貨はアワド最後の王様ワージド・アリー(在位1847年から1856年)時代に発行されたモハールです。アワド藩国のモハールには、それぞれの王様ごと違った生き物がデザインされており、これがイスラム時代のインドとは違った特徴です。なお、ワージド・アリーの紋章には人魚が描かれています。
さてこのコインについてです。
オモテ面の真ん中には小さく王冠が描かれており、その両横には人魚が旗竿をもって立っています。上記のようにアワドのコインには藩王の紋章が描かれていますが、この人魚のデザインはワージド・アリーの紋章です。当時のインドはイスラム教の影響を受けており、このように生物がコインに描かれるのは異例です。これは(ごく少数の例を除き)アワドの5王時代以外には見られない特徴です。
ウラはムガール様式を踏襲しており、造幣地銘と年号、藩王の名前を含めた二行詩が描かれています。
状態はオモテ/ウラとも、ある程度の摩耗が進んでおり、オモテの人魚や王冠、ウラのペルシャ文字の高い部分などは磨滅しています。すでにオリジナルの輝きは失われていますが、人手が加わった痕跡はなく、目立ったキズやスレ、変色などもありません。
本銘柄は1847年(ヒジュラ歴1264年)から1851年(同1268年)まで5年間発行されていますが、NGC社は、この銘柄を2枚しか鑑定していません、一枚は1848年銘(MS63)で残り一枚は本貨です。上記のようにアワド藩国は1819年から1856年までと短命な藩国でしたので、アワドのモハールはわずかしか残されていません。鑑定されたコインも少なく、すべてのモハールを合わせてもNGC社の鑑定枚数は13枚しかありません。
以下はアドワの37年間で発行されたすべてのモハール金貨13枚の内訳です。
MS65:1枚
MS63:2枚
MS62:3枚
AU58:1枚 ←ココです
数字なしDetail鑑定:6枚
このように、アワド藩国のモハールは鑑定数が少なく、市場への出現頻度も低いです。おそらく経済の規模が小さく、コインのニーズも低かったのでしょう、デザインも面白いので、これから人気が出るのではないかと思います。
なお本銘柄のカタログ価格は、クラウスでXF40が4,000ドル、XF40を超える状態の評価はありません。フリードバーグの最新カタログではVFからXFが2,500ドルです。
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■サイズ:直径21ミリ、重さ約11グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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