□状態：NGC-MS63（UNC）
1628年に発行された初期の1ターレル銀貨で、オモテ面はヨハン・ゲオルク1世の肖像です。ヨハン・ゲオルク1世は1611年にドイツのザクセン侯国の領主になり、1656年に亡くなるまで領主の地位にありました。ヨハン・ゲオルク1世は在位が長かったため多くのコインを発行しており、この銘柄（KM-132）も1620年から1638年まで毎年発行されました。その後も1638年にウラの紋章がマイナーチェンジされて亡くなる1656年まで続きます（KM-425）。
クラウスのカタログ（Standard Catalog of World Coins 6th Edition）によりますと、本貨（KM-132）タイプの価格ガイダンスはMS60で900ドル、これに対し紋章変更後のKM-425はMS60が750ドルとなっています。
さてこのコインですが、ウラ/オモテともトーンが乗っておらず、純粋な銀色に近い色合いです。初期のターレルには打刻の甘い個体が多いですが、本貨はウラ／オモテともしっかりとシャープに打たれており、特にオモテの文字やフィールド部分は一定の圧力で明瞭に打たれています。一方でウラは細かく精緻なデザインで、当時のドイツの技術の高さがうかがえます。ウラの上部に騎士の兜が6つ並んでしますが、右端の一つに少し弱打ちが見られる以外はほぼ完ぺきな打刻です。
残念ながらNGC社の本銘柄の鑑定分布は一時的に見えなくなっていますが、本貨MS63を超える個体はMS65が一枚あるだけです。MS63もこのコイン一枚しかありません。この時代のターレルは最近少しずつ見直し買いが入っていますが、それでも本貨のように状態が良いコインには強い割安感があると思います。
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■サイズ：直径約42ミリ、重さ約28グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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