□状態:NGC-MS63(UNC)
現在のオーストリア、当時の神聖ローマ帝国のブレスラウ(Breslau)で1714年に発行されたターレル(KM-786.1/Dav-1089)です。肖像はカール6世(在位1711-1740年)で、30歳前後の青年期のものです。
ターレルは今のドイツやオーストリアなどで1500年代から発行されるようになりましたが、本貨はターレルの中では中期のものです。カール6世時代に発行されたターレルは、ハル、ヴィエンナ(ウィーン)、グラーツ、アウグスブルグなどの鋳造所で造られていますが、本貨ブレスラウ鋳は、アウグスブルグ鋳に次ぐ希少ミントです。なお以下はNGC社による、カール6世時代(1711-1740年)に発行された1ターレル銀貨の、ミント別分布です。(注)数字付鑑定のみ
ハル鋳:398枚
ヴィエンナ鋳:56枚
グラーツ鋳:18枚
ブレスラウ鋳:17枚 ←本貨です
アウグスブルグ鋳:4枚
さてこのコインですが、ご覧のようにオモテ/ウラとも落ち着いたダークなトーンが乗っており、角度を変えると金色がかったオリーブ色の輝きもみせます。この時代のターレルはMS鑑定を受けている個体でも、大昔に洗浄され白っぽく変色してしまってるものをよく見かけますが、本貨はそのような洗浄痕が全くありません。またご覧のように大変シャープに打刻されており、オモテ/ウラとも細部まではっきりと打たれています。摩耗やキズもほとんどなく、ウラ/オモテとも大変良い状態です。特にウラのフィールド部分はオリジナルの輝きをとどめており、このコインが長い間、歴代の所有者によって大切に扱われてきたことがうかがえます。オモテ面のカール6世の髪の毛や衣装の紋様、ウラ面の王冠や双頭の鷲などが実に精緻に描かれており、神聖ローマの工業技術の高さがうかがえます。
なおNGC社の鑑定分布をみますと、総鑑定数5枚の内訳は以下の通りです。
MS63:1枚 ←ココです
MS62+:1枚
AU58:2枚
AU55:1枚
他に数字なしDetails鑑定が1枚
したがって本貨は唯一の最高鑑定です。
店主はこの時代のターレルは評価不足ではないかと考えております。世界的に1800年代から1900年代初頭の大型銀貨の相場水準は急速に上がりつつあります。ますますターレルの割安感が際立ってきました。特にターレルのうち状態の良いものは、上記NGC社の鑑定分布からもわかるように、さほど多く残っているわけではありません。もっと高く評価されてよいのではないでしょうか。
■サイズ:直径約42ミリ、重さ約28グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパックもしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みか、クレジットカード決済でお受けしております。
【お願い】掲載している写真のコピー・転用は固くお断りします。