□状態:PCGS-AU53(EF-)
神聖ローマ帝国、第五代皇帝マキシミリアン2世(在位1564年-1576年)時代に、現ドイツのブルンシュビック(ブラウンシュバイク)・リュネンブルグ・ウォルフェンビュッテルという侯国で発行された1ターレルの大型銀貨です。オモテに描かれているのは「野蛮人」で、灯り(もしくはロウソク)を持って歩いています、ドイツでは1500年代の後半から1700年代にかけ、たびたび「Wildman=野蛮人」が描かれたコインが発行されますが、本貨はもっとも初期のものです。
このモチーフは一般的に上記のように「Wildman=野蛮人」と呼ばれますが、「森の精霊」を描いたものではないかとも言われています。店主はこのモチーフに関していろいろ想像を膨らませます、もしかしたらヨーロッパ人の記憶の中にある、ネアンデルタール人を描いたものではないかと妄想したりします。ネアンデルタール人は4万年前あたりまで生存しており、わたしたちホモ・サピエンスと長期間にわたり共存していたと言われています。現代のヨーロッパ人の先祖が、森の中でしばしば出会ったネアンデルタール人の遠い記憶が、「森の精霊」=「Wildman=野蛮人」となったのではないか、などと空想するわけです。
そんな個人的な思い入れもあり、店主は昔からこの野蛮人ターレルのシリーズが好きで、個人的にも集めてきました。市場でも徐々に人気が出てきたようで、状態の良い個体や古ターレルは近年値を上げつつあります。日本人は都市景観ターレル/ダカットを好みますが、店主はこの野蛮人シリーズはもっと日本人に人気が出てもいいと思います。
さてこのコインですが、随分と摩耗が進んでいるように見えますが、このコインはターレルでも最も初期のころに発行されたものです。年号はオモテ面の野蛮人を挟んで「6」「9」と打たれているように、1569年に発行されたものです。初期のターレルは、刻印側の不出来や打刻技術の未熟もあり、総じて見栄えは良くありませんが、本貨はこの銘柄にしては比較的状態のよい部類に属します。また写真のように特にオモテの周辺部分(文字が打たれている部分のうち1時から7時の部分あたり)は、わずかにブルーがかったトーンが乗っていてきれいです、4番目/5番目の写真をご覧ください。
ウラはハプスブルグの紋章「双頭の鷲」が打たれていますが、これも初期のデザインで、つたないながらも古色を帯びた味わいがあります。
なお本銘柄(Dav-9057)は1569年の単年発行ですが、PCGS社による鑑定実績は、本貨以外に一枚(PCGS-VF35)あるだけです。
■サイズ:直径約42ミリ、重さ28グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるPCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求め下さい。
■ゆうパックもしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みか、クレジットカード決済でお受けしております。
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