□状態:PCGS-MS65(FDC)、最高鑑定
このコインはドイツがまだ多くの公国や王国に分かれていたころ、プロイセン(プロシア)のベルリンで作られた2ターレルの大型銀貨です。クラウス社のカタログコードはKM-440.2です。プロイセンが中心となってその後のドイツ帝国が形成されたように、プロイセンは当時すでにこの地域の中心的な存在でした。
おもて面は当時の君主であるフリードリッヒ・ヴィルヘルム4世(在位1840-1861年)です。ドイツのコインは銘柄数が極めて多く、一般に収集の対象になりにくいのですが、この2ターレルは例外です。本コインを含みドイツ諸邦(および現オーストリア)において、1837年から1872年まで本コインと同じ規格の2ターレルが発行されたのですが、銘柄数の合計は95銘柄に過ぎません。さらにこの2ターレルで特筆すべきはそのデザイン性です。裏面(紋章面)の拡大写真をご覧いただけるとお分かりのように、単にデザインが素晴らしいというだけでなく、刻印の精緻さも際立っています。このコインをみて、ゲルマン民族特有の妥協を許さない職人魂を感じます。よほど高度な技術とコインに対する思い入れがなければ、このようなコインを作ることはできません。さらに驚くのは、このコインが贈呈用に作られたプルーフ貨ではなく、通常貨だという点です。例えば同時代のイギリスやフランスでも、美しいコインはたくさんありますが、これくらい拡大しますと(たとえ初期打ちの個体でも)どうしても細部に粗というか、手抜きのようなものが見えてしまいます。日常使われるコイン(「通常貨」)としては、むしろそれが当たり前で、本コインやドイツ諸邦の2ターレルのほうが、むしろ“異常”なのです。少し大げさかもしれませんが、このコインを含む“南部ドイツ通貨同盟”規格の2ターレルは、「世界コイン史における美と精緻の頂点」ではないでしょうか。
もちろんおもて面も写真のように、発行当初の輝きをとどめる素晴らしい状態です。
なおこのコインは1843年から1851年にかけ発行され、1850年銘は22万枚ほど発行され特に希少コインではなく市場にはたびたび出てきますが、このコインほど状態の良いコインはめったに出てきません。本貨1950年銘のPCGS社の鑑定分布をみますと、PCGS/NGC社あわせて9枚(2020年12月時点)の鑑定済みコインがありますが、MS65は最高鑑定(なおMS65は本貨含め2枚)です。
いまのところドイツ諸邦の19世紀2ターレル銀貨群は、希少性やデザインのすばらしさにもかかわらず、十分に評価されているとは思えません。特にこのコインのように状態の良い個体は今後再評価される可能性があると店主は思います。
■サイズ:直径約41ミリ、重さ約37.1グラム、銀品位90%
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるPCGS社の鑑定済みケースに入っています。真贋は同社によって保証されていますのでご安心ください。
■ゆうパック「セキュリティ」でお届けします。
■お支払い:本商品は銀行振り込みでお受けしております。
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