状態:NGC-MS64(UNC+/未流通+)
現ドイツのブラウンシュバイク・ヴォルフェンビュッテルという侯国で、アウグスト・ヴィルヘルム時代(在位1714-1731年)に発行された1ターレル銀貨です。オモテに描かれているのは「野蛮人」で、左手にはこん棒代わりの樹を持っています。ドイツでは1500年代の後半から1700年代にかけ、たびたび「Wildman=野蛮人」が描かれたコインが発行されますが、この銘柄は完成スタイルに近い野蛮人様式です。
このモチーフは一般的に上記のように「Wildman=野蛮人」と呼ばれますが、「森の精霊」を描いたものではないかとも言われています。店主はこのモチーフに関していろいろ想像を膨らませます、もしかしたらヨーロッパ人の記憶の中にあるネアンデルタール人を描いたものではないかと妄想したりもいたします。ネアンデルタール人は4万年前あたりまで生存しており、わたしたちホモ・サピエンスと長期間にわたり共存し、混血したと言われています。現代のヨーロッパ人の先祖が、森の中でしばしば出会ったネアンデルタール人の遠い記憶が、「森の精霊」=「Wildman=野蛮人」となったのではないか・・・などと空想するわけです。ちなみにですが、ネアンデルタール人起源のDNAを、私たち日本人も2%ほど持っているといわれています。
そんな思い入れもあり、店主は昔からこの野蛮人ターレルが好きで、個人的にも集めてきました。最近は市場でも徐々に人気が出てきたようで、状態の良い個体や古ターレルは値を上げつつあります。日本人は都市景観ターレル/ダカットを好みますが、店主はこの野蛮人シリーズはもっと日本人に人気が出てもいいと思います。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも正面から見ると沈んだグレーですが、光の当たり具合を変えるときれいなトーンが見えてきます。オモテのトーンは全体的にメタリックな輝きですが、2時の位置のフチ部分や野蛮人の足元にはブルー系のトーンが少しあります(2番目と4番目の写真をご覧ください)。摩耗はほとんど見られず、野蛮人の表情(写真3)が綺麗に残っていますし、おヘソやパンツ、すね毛などの細かい部分もはっきりしています。
ウラのトーンはさらに美しく、中央部分はゴールデン系のトーンですし、周辺部分はブルー系から虹色に輝く部分もあります(9番目と10番目の写真をご覧ください)。ウラの中央の紋章部分は摩耗しているように見えますが、これは打刻の弱さと刻印の摩滅によるもので、コインの周辺に刻印された文字は鮮明に残っています。
ウラ/オモテとも流通した痕跡がほとんどなく素晴らしい状態です。
この銘柄(KM-739/Dav-2126)は1714年から1730年まで発行されていますが、NGC社は本銘柄を66枚鑑定しています。内訳は以下をご覧ください。
MS64:1枚 ←ココです(単独最高鑑定)
MS63:3枚
MS62:4枚
MS61:3枚
AU58:10枚
AU55:11枚
AU53:6枚
AU50:3枚
XF45以下:25枚 (数字なしのDetail鑑定13枚を含みます)
ご覧のように本貨は1728年銘だけでなく、この銘柄のすべての年銘を合わせても単独の最高鑑定です。この時代のターレルは、特に状態の良いものや希少な銘柄中心に再評価が始まっているように思います、本貨も将来楽しみなコインです。
■最寄りの郵便局に「局留め」で発送できます。ご希望の際は、ご注文画面の「お届け先の入力」欄に、留め置きを希望される郵便局の情報をご入力ください。郵便局で受け取る際は、荷物の追跡番号と、ご本人だと証明できるもの(住所などが記載されているもの)が必要になります。
■サイズ:直径41ミリ、重さ約28グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みでお受けしております。
【ご注意!】
掲載している文章(商品説明)や写真の、コピー・転用・流用は固くお断りします。