状態:NGC-MS62(UNC-/未流通-)
オーストリアのハルで1680年から1686年にかけ発行された2ターレル大型銀貨(KM-1119.1)です。
オモテ面は神聖ローマ皇帝1世レオポルト(在位1658年-1705年)の肖像、ウラはハプスブルグ家の紋章「双頭の鷲」ではなく「単頭鷲」です。この銘柄には年号が刻印されていませんが、レオポルト1世の在位期間から考えて、おそらく1680年に発行されたものだと思います。
クラウスのカタログ(Standard Catalog of World Coins 7th Edition)によりますと、本貨(KM-1119.1)の価格ガイダンスはEF40クラスが1750ドルで、それ以上の表記はありません。なお本貨の発行枚数は不明ですが、同時代に発行された2ターレルの発行枚数から考えて、おそらく数千枚ではないでしょうか。同時代の1ターレルの発行枚数は各年概ね10万枚以上ありますので、この2ターレルの稀少さがわかります。市場への出現頻度は1ターレル100枚に対して2ターレルは1枚程度しかありません。
さてこのコインについてです。
拡大写真のように全体的にコンディションはかなり良く、色合いは全体的にシブいグレー系です。この時代のターレルは、鑑定会社によって数字付で評価される個体でも、古い時代に洗浄されて白っぽく変色しているコインをよく見かけますが、本貨はそのように人の手が加わった痕跡はみえません。また派手ではないですが、ウラ・オモテとも深いグレー系のトーンが均一に乗っていて、300年以上保管されてきた時代の風格を感じます。
さらにこの時代のターレルにしては珍しく、ほぼ中央に打刻されている点もプラスに評価していいと思います。摩耗はオモテに描かれた肖像の出っ張った部分(眉や髪の毛、軍服の装飾など)にわずかに見られますし、ウラの鷲の顔や胸の羽毛部分にも摩耗が見られますが、全体的にみてNGC社の評価MS62は妥当だと思います。
なおこの時代のターレルはローラーダイ(注)で作られていますので、中央部分がホンのわずかに湾曲していますが、これはこの時代のターレルによくみられる特徴です。
注)コインの量産を可能にするため、二本の金属ローラーの間を通すことによりコインに刻印を打つ製造方法
直径も47ミリほどあり、2ターレルならではの重厚なコインです。なおNGC社によってこの銘柄は67枚鑑定されていますが、下のようにこの銘柄の平均的な状態はAU58あたりですから、本貨はかなりの高状態です。
MS65:4枚
MS64:2枚
MS63:8枚
MS62:8枚 ←ココです
MS61:2枚
AU58:14枚
AU55:5枚
AU53以下:24枚(数字なしのDetail鑑定16枚を含みます)
店主はここ数年、この時代のターレルの割安感を指摘してきましたが、ようやく最近になって少しずつ見直されてきた感があります。なお「ときいろ」では今年(2024年)、この銘柄のNGC-MS62を68万円で販売しています。
なお本貨はNGC社の大型ケース(通称「ゲタ」)に入っていますので、その点ご注意ください、ケースのサイズは160ミリ×120ミリです。
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■サイズ:直径47ミリ、重さ約57.7グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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