状態:未鑑定(準未使用+/AU+)
このコインは古代インド、カニシカ王(AD127-151年)時代に発行されたディナールとよばれる金貨です。
サイズは直径約2センチ、重さは約8.0グラムで、現代コインと比べると小さいですが、古代は金の産出量が少なく、これが標準的なサイズです。当時のインドは帝政時代のローマと交易しており、サイズを統一したと考えられます。当時のローマではアウレウスと呼ばれる金貨が使われていましたが、サイズ・重量とも本コインとほぼ同じです。
肖像のカニシカ王(カニシカ1世)はクシャン朝4代目の王様で、しばしばカニシカ大王と呼ばれクシャン朝で最も名が知られた王様です。カニシカは軍事指揮官としての卓越した手腕によって、領土を中央アジアから北インドまで広げました。でもカニシカの功績は単に領土拡大にとどまらず、芸術や宗教の分野でも後世のインドに大きな影響を与えました。特に宗教面での貢献は大きく、インドにおける仏教の浸透に貢献しています。このようなカニシカの功績は、彼の時代のコインにもよく表れています。
さてこのコインについてです。
オモテ面はカニシカの立像で、胸のところで二重の留め金でおさえた長いマントを着ています、マントの下にはズボンをはいており、ベルトには剣を帯びています。マントの下は遊牧騎馬民族の末裔らしくブーツも履いています。円形の帽子を冠ったカニシカは、右手で祭壇に供物を捧げ左手は長い槍をもっています。
7番目の拡大写真をみると、カニシカの頬にホンの小さな丸い輪っか(「円環」)が見えますが、これは毛状上皮腫(「もうじょうひしゅ」)と考えられています。毛状上皮腫は現イラン北部にあったアルサケス朝のコインにもみられる特徴で、王族の血筋を示す権威の象徴と考えられています。この円環はクシャン朝にも受け継がれ、初期の金貨(カニシカ1世とフビシュカ)だけに見られます。円環アリのディナールはなかなか出てきません。
カニシカは、歴代王のコインに刻印されたカロシュティー文字とギリシャ文字の併用を廃止し、ギリシャ文字のみを採用しています、本貨に書かれた文字もギリシャ文字に統一されており、オモテ面の周辺にはShaonano Shao Kaneshki Koshano(王のなかの王、クシャーナのカニシカ)と刻印されています。
上記のようにカニシカは、クシャン朝にもともと浸透していたゾロアスター教に加え、仏教も支援しましたので、カニシカ時代のコインにはさまざまな起源を持った神様が描かれています、本貨もウラ面にはメソポタミアに起源をもつ「豊穣の女神NANA」が描かれています。
本貨は未鑑定の裸のコインではありますが、ご覧のように状態は素晴らしく、カニシカの表情、マントの装飾や槍、ウラに描かれたナナオの表情などにも、ほとんど流通の痕跡が見えません。カニシカのディナールはクシャン朝の中ではもっとも人気が高く値も張りますが、特に本貨のような高状態は高値を付けます。カニシカのディナールは滅多に市場に出てきませんが、以下に直近の国内オークションの落札事例を紹介させていただきます。
★2022年10月のオークションワールド
EF評価のハダカコイン、総支払額ベース約96万円
★2023年7月のオークションワールド
EF評価のハダカコイン、総支払額ベース約111万円
「ときいろ」では7月にカニシカ1世のEF+を98万円で販売しましたが、本貨はそれを超える高状態です。これ以上の高状態カニシカを探すのは難しいと思います。
近年アジアのコインは全般的に値が上がってきましたが、なかでも「ときいろ」はインドの金貨と銀貨に注目しています。人口増と富裕化が同時に進みつつあるインドは、中国に続いて有望なコイン市場に成長すると店主は思います。なかでも本貨カニシカのディナールは有望だと思います。
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■サイズ:直径20ミリ、重さ約8.0グラム
■本貨は、鑑定会社のケースに入っていない“裸のコイン”ですが、本物であることを保証いたします。どうぞご安心のうえお買い求めください。万一偽物と判明した場合、他の「ときいろ」の商品と同様、無期限に返品を承ります。
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