状態:NGC‐Ch VF Strike4/5,Surface5/5 (VF+)
この金貨は世界最初期の打刻金貨として有名なコインです。
リディア(リュディア)は今のトルコ西部に紀元前7世紀から6世紀にかけてあった国ですが、このコインはその時代に造られた世界最初期の打刻金貨です。当時の「打刻金貨」は金でできた板(または金の粒)を青銅や鉄製のハンマーで強く打刻することによって造られました。青銅や鉄は金に比べて固く、強く打ちつけることによって金に打刻することができたのです。
このような当時のコインの造り方から考えても容易に想像できますが、コインの中心部にきれいに打刻たれたコインを見つけるのは簡単ではありません。特にこのコインは小さいだけに難易度は高かったことでしょう。
したがって
・うまく真ん中に刻印が打たれたコイン
・一定の力で均一に紋様が打たれたコイン
は希少品で高値で売買されることになります。
この銘柄に関してさらに細かく言いますと、
・王家の紋章であるライオンが中央に打たれているか
・特にライオンの額にある太陽(一説には星とも)が切れることなく打たれているか
・さらにその太陽から八方に広がる光線がきれいに出ているか
・ライオンのタテガミがきれいに打たれているか
・ライオンの目や牙がきれいに打たれているか
などがこの銘柄の評価ポイントになります。
さてこのコインについてです。
写真をご覧いただくとお分かりのように、上記の評価ポイントをほぼ漏れなく網羅していますし、コイン全体の形もほぼまん丸です。
有名な「アテネのふくろう銀貨」もそうですが、この銘柄も単にAUやMSといった摩耗状態のみで評価するのではなく、上記のような点もしっかりと見なくてはなりません。このコインをたくさんご覧になってきた方はお分かりだと思いますが、たとえば同じCH VFクラスでも、本貨ほどバランスよく打たれた個体はそれほど多くはありません。またこの銘柄には、受け取った側によってカウンターマーク(「加刻印」)が打たれた個体が多く、そのようなコインは評価が下がりますが、本貨はご覧のようにカウンターマークはありません。
さらにこのコインの共通点として色が白っぽいという特徴もあります。これはこのコインが川を流れる砂金(いわゆる「自然金=エレクトラム」)で造られたからです。金は自然界では銀と共存している場合が多く、初期の金貨はこのコインに限らず一定の銀が含まれており、このように白みを帯びているのです。なお本貨のラベルにはELと書かれていますが、これは自然金で作られたことを意味しています。
この銘柄は貨幣経済の草創期に作られたコインです。当時の経済は規模も小さかったでしょうし、なにより金の採掘量はわずかだったに違いありません。直径わずか1センチ強のちっちゃなコインですが、これでも古代の金貨としては標準的なサイズです。
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■サイズ:直径12×11ミリ、重さ約4.7グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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