状態：NGC‐MS65（UNC＋／未流通＋）
このコインが発行される7年前、本国ポルトガルはナポレオンの侵攻を受け、皇太子ホアンは女王マリア1世といっしょにブラジルに逃げました。その後マリア1世が体調不良で政務がとれなくなったため、ホアンが摂政として政務を担ったそうです。
この金貨はホアン6世（Joao �此砲�、皇太子だった時代（1805年〜1818年）にリオ・デジャネイロで発行された中型の金貨4000レイス（KM‐235.2リオミント）です。発行枚数はさほど多くはなく、毎年10万枚前後が発行されました。本貨1815年銘も8.3万枚ですから、現代的な感覚では少ないほうです。なお正確に申し上げますと、この銘柄は1814年の「4」の上に「5」が刻印された「1815/4年銘」で、これは1814年に発行する予定で鋳造されたコインを、何らかの理由で1815年に発行することになり、急遽、発行年を1814⇒1815年に上書き（＝「オーバーストライク」）しなおしたものです。なお先ほどの発行枚数8.3万枚は、1814年銘と1815/4年銘をあわせた枚数ですが、両者の内訳は不明です。ただNGC社の鑑定数を比べると、1815年銘が13枚に対し、1815/4年銘は17枚ですから、おそらく同じくらいの枚数が発行されたのではないでしょうか。
さてこのコインについてです。
写真をご覧のように輝きが素晴らしいコインです。ウラ／オモテとも、まるで最近造られた金貨のようにきれいな金色に輝いています。刻印がわずかにセンターからずれて打たれておりますが、この時代のコインによくみられるアジャストメント・マークもなく素晴らしい状態です。なおオモテの中央部に打たれた紋章は、ホンの少しだけ弱うちです、その点を考慮して先日販売した514-1（注）より売価を安く設定しております。
注）1813/2年の4000レイスのNGC-MS65です、売価は65.8万円でした。
なお10番目の写真をみると、「5」の間に「4」が打たれていた様子が分かります。
また上記のようにNGC社によって本銘柄の1815/4年銘は17枚鑑定されていますが、内訳は以下の通りです。
MS66：2枚
MS65：2枚 ←ココです（準最高鑑定）
MS64：4枚
MS63：3枚
MS62以下：6枚（3枚の数字なしDetail鑑定を含む）
なお冒頭のように本銘柄（KM-235.2のリオミント）は1808年から1817年まで発行されていますが、NGC社による全年号の鑑定分布は以下のとおりです。
NGC‐MS66：5枚
NGC‐MS65：18枚 ←ココです（準最高鑑定）
NGC‐MS64：35枚
NGC‐MS63：52枚
NGC‐MS62：56枚
NGC‐MS61以下：116枚（71枚の数字なしDetail鑑定を含む）
上のように、本貨は鑑定総数282枚のうち上位23枚に入ります。この銘柄でMS65以上を探すのは難しいと思います。
なおStandard Catalog of World coins 9Th Editionによりますと、本貨1815/4年銘の価格ガイダンスはMS60が1200ドル、MS63が2100ドルとなっていますが、それを上回る表記はありません。
ここ数年、中南米のスペイン植民地で造られた金貨は随分と値が上がりましたが、ようやくブラジルの金貨も動き始めたように思います。本貨も状態が良いので期待できるのではないでしょうか。
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■サイズ：直径27ミリ、重さ約8.06グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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