状態:PCGS‐MS64(UNC+/未流通+)
このコインはザルツブルグ大司教領で1705年に発行された1ターレル(KM-254/Dav1234)です。
当時の神聖ローマは多くの領邦の集合体でした。ザルツブルグはそのうちの有力な勢力で、選挙で選ばれる聖職者(大司教)によって統治されていました。本貨は大司教イヨハン・エルネスト(Johan Ernst Graf von Rhun:在位1687年から1709年)統治下で発行されたターレルです。オモテはイヨハン・エルネスが描かれており、ウラにはキリストを抱く聖母マリアが描かれています。なおイヨハン・エルネスは在位が長く、在位期間の1687年から1709年まで、毎年この銘柄を発行しています。
ザルツブルグは現在オーストリアに属していますが、当時の神聖ローマはドイツを中心にオーストリアや北イタリアなど広域に広がっていました、このため本貨はオーストリアのコインであると同時に神聖ローマ帝国のコインでもあります。神聖ローマ帝国のターレルの多くは君主の胸像を描かれていますが、ザルツブルグは大司教という聖職者に統治されていたため、統治者がコイン前面に出ていません。ウラ面の聖母マリア像もまた、大司教領コインらしい図柄です。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも摩耗がほとんどなく素晴らしい状態です。この時代のターレルは鑑定会社によって数字付で鑑定された個体でも、過去に洗浄されて白っぽくなってしまったコインをよく見かけますが、ご覧のように本貨は手が加わった痕跡が見えません。またオモテ/ウラともホログラム状のトーンが乗っていて、角度を変えて見ると薄いブルーやオレンジゴールドに輝く部分もあります。MS64という数字では表現できない綺麗なコインです。
なおPCGS社の鑑定数(KM‐254/Dav1234の1705年銘)は3枚だけで、内訳は本貨MS64が一枚、その下は随分あいてAU58とXF45が一枚ずつです。
またNGC社は本年銘(KM‐254/Dav1234の1705銘)を6枚鑑定していますが、内訳は以下の通りです。
MS63:1枚
AU58:1枚
AU53:1枚
AU50:1枚
数字ナシDetail鑑定:2枚
したがって、本貨はNGC/PCGS合わせても1705年銘で単独最高鑑定です。
さらに銘柄の全年銘(KM-254/Dav1234のすべての年銘1687年から1709年まで)合わせても本貨はかなりの高鑑定です、以下NGC社の鑑定分布をご覧ください。
MS65:2枚
MS64:4枚 ←ココです
MS63:23枚
MS62:12枚
MS61:23枚
AU58:40枚
AU55:17枚
AU50以下:67枚(数字ナシDetail評価57を含む)
PCGS社のすべての年号鑑定分布は不明ですが、上記のようにNGC社に当てはめると、188枚のうち準最高鑑定ということになります。トーンの美しさを含めて考えると、この銘柄では最高峰だと思います。
長い間、この時代のターレルは安値に放置されてきましたが、最近は状態の良い銘柄を中心に、少しずつ見直されてきたように思います、将来が楽しみな一枚だと思います。
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■サイズ:直径41ミリ、重さ約28グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のPCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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