状態：NGC‐MS65（UNC＋／未流通＋）
このコインが発行される4年前、本国ポルトガルはナポレオンの侵攻を受け、皇太子ホアンは女王マリア1世といっしょにブラジルに逃げました。その後マリア1世が体調不良で政務がとれなくなったため、ホアンが摂政として政務を担ったそうです。
この金貨はホアン6世（Joao �此砲�、皇太子だった時代（1805年〜1818年）にリオ・デジャネイロで発行された中型の金貨4000レイス（KM‐235.2リオミント）です。発行枚数はさほど多くはなく、毎年10万枚前後が発行されていました。本貨1813年銘も14.8万枚ですから、現代的な感覚では少ないほうです。なお正確に申し上げますと、この銘柄は1812年の「2」の上に「3」が刻印された「1813/2年銘」で、これは1812年に発行する予定で鋳造されたコインを、何らかの理由で1813年に発行することになり、急遽、発行年を1812⇒1813年に上書き（＝「オーバーストライク」）しなおしたものです。なお先ほどの発行枚数14.8万枚は、1813年銘と1813/2年銘をあわせた枚数ですが、両者の内訳は不明です。ただNGC社の鑑定数を比べると、1813年銘が30枚に対し、1813/2年銘は3枚のみですから、おそらく1813/2年銘の方が発行枚数は随分少なかったと思います。
さてこのコインについてです。
写真をご覧のように輝きが素晴らしいコインです。ウラ／オモテとも、まるで最近造られた金貨のようにきれいな金色に輝いています。刻印がわずかにセンターからずれて打たれておりますが、この時代のコインによくみられるアジャストメント・マークもなく素晴らしい状態です。またこの時代の金貨は未流通のものでも、例えばオモテ面の紋章が摩耗したように見える個体が多いですが、本貨はしっかり打たれており紋様がシャープです（6番の拡大写真でご確認ください）。
なお上記のようにNGC社によって本銘柄の1813/2年銘は3枚のみ鑑定されていますが、内訳はMS65が本貨一枚、MS64が1枚、あとはMS62が一枚あるだけです。
またNGC社は1813年銘と1813/12年銘をあわせて33枚鑑定しており、内訳は以下の通りです。
NGC‐MS65：4枚 ←ココです（最高鑑定）
NGC‐MS64：2枚
NGC‐MS63：9枚
NGC‐MS62：6枚
NGC‐MS61以下：12枚（6枚の数字なしDetail鑑定を含む）
なお冒頭のように本銘柄（KM-235.2のリオミント）は1808年から1817年まで発行されていますが、NGC社による全年号の鑑定分布は以下のとおりです。
NGC‐MS66：5枚
NGC‐MS65：18枚 ←ココです（準最高鑑定）
NGC‐MS64：35枚
NGC‐MS63：52枚
NGC‐MS62：56枚
NGC‐MS61以下：116枚（71枚の数字なしDetail鑑定を含む）
上のように、本貨は鑑定総数282枚のうち上位23枚に入ります。この銘柄でMS65以上を探すのは難しいと思います。
なおStandard Catalog of World coins 9Th Editionによりますと、本貨1813/2年銘の価格ガイダンスは、MS60が1200ドル、MS63が2100ドルとなっていますが、それを上前ある表記はありません。
ここ数年、中南米のスペイン植民地で造られた金貨は随分と値が上がりましたが、ようやくブラジルの金貨も動き始めたように思います。本貨も状態が良いので期待できるのではないでしょうか。
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■サイズ：直径27ミリ、重さ約8.06グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGCの鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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