状態:未鑑定 VF+(美品+)
このコインは古代インドのヴァスデヴァ1世時代(AD191-225年)に発行されたディナール金貨です。クシャン朝はインド北部から中央アジアあたりにあった国で、初代クジャラ・カドフィセス(紀元前1世紀ごろ-紀元1世紀ごろ)以降、ヴィマ・タクト(在位AD80年-107年ごろ)、ヴィマ・カドフィセス(在位AD107年-127年ごろ)と続いた後、有名なカニシカ王(在位AD127年-150年ごろ)の時代に最盛期を迎えます。
本貨はカニシカ王の2代あとヴァスデヴァ1世時代に発行されたディナールです。サイズは現代コインと比べると小さいですが、古代は金の産出量が少なくこれが標準的なサイズです。当時のインドは帝政時代のローマと交易しており、サイズを統一したと考えられます。当時のローマではアウレウスと呼ばれる金貨が使われていましたが、重量は本コインとほぼ同じです。帝政ローマ時代のアウレウスなら、この程度の状態で80万円をくだることはありません。
さてこのコインいついてです。
オモテ面はヴァスデヴァ1世の立像で、左右の手に一つずつの三叉の戟(さんさのげき)を持っています。ヴァスデヴァはスカートとブーツを履いており、クシャン朝がもっていた騎馬民族的な要素がうかがえます。
ウラ面はインドのヒンドゥー教の神のシヴァ(OHPO⇒写真9ご参照)の立像ですが、OHPOをシヴァ神ではなくゾロアスター教の「風神ウェーショー」だと考える人もいます(田辺勝美1992)。そしてシヴァの背後にはシヴァの乗り物である雄牛がいます。
オモテのヴァスデヴァの胸からスカートにかけ、高い部分は摩耗していますが、腕、足、顔あたりは比較的よく残っています。ウラはシヴァの顔、体、あと牛も全体的に状態は良く文字もはっきりと残っており、総じてクシャン朝のディナールにしては状態は良いです
クシャン朝のディナールは3代目のヴィマ・カドフィセス、4代目のカニシカの人気が高く高値を付けますが(注)、5代目のフヴィシュカ、6代目のヴァスデヴァ1世までは希少性が高く値を上げつつあります。
注)クシャン朝のディナール金貨は3代目のヴィマ・カドフィセスから始まります。
なおヴァスデヴァ1世のディナールはさほど市場に出てきませんが、昨年(2023年)10月のオークションワールドで、本貨より少し状態が劣る未鑑定のVF−評価が、総支払額ベース28.8万円で落札されています。
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■サイズ:直径19ミリ、重さ約7.8グラム
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