状態：未鑑定（F程度／美品程度）
グプタ朝はチャンドラグプタ1世の時代（AD320〜335年ごろ）に建国され、最盛期3代目のチャンドラグプタ2世の時代に北インドから南インドまで版図を広げました。このコインは4代目のクマラグプタ王（在位AD414〜455年）の時代に発行された金貨です。クマラグプタ時代は北方の遊牧民エフタルの侵入によって経済的な衰退がはじまり、金貨の鋳造量も減ったといわれています。
この時代の金貨はクシャン朝時代と同様ディナールと呼ばれており、サイズや重量もクシャン朝時代の金貨の様式を踏襲しています。ただし図柄はずいぶんと変わりました。オモテ面は馬に乗った王様（クマラグプタ）で、ウラ面はヒンディーの神様ラクシュミが座椅子に座っています。ラクシュミは右手でブドウをクジャクに与えています。この時代の人物や神様の描き方は独特で、クシャン朝時代と違い東洋的な体の柔らかさが感じられます。狩り好きのクマラグプタは好んで馬に乗っていたようで、その好みが本貨に表れているのだと思います。
店主はこのグプタ朝のディナールが好きで、良い個体が出てきたら買い付けるようにしています。でも上記のような歴史的な背景もあり、グプタ朝のディナールはめったに入手できず、「ときいろ」でも過去数枚しか販売しておりません。とくに馬を描いたコインは入手が困難で、なかなかお目にかかれません。
さてこのコインについてです。
ご覧のようにオモテ／ウラとも摩耗が進んでおり、クマラグプタやラクシュミの表情は見えませんし、ウマも顔やひづめも失われております、状態は決してよくなく状態はせいぜいFine程度です。ただこの銘柄は摩耗が進んだものが多く、本貨はこの銘柄にしては標準的な状態です。グプタ朝のディナールはオモテに王様の立像が描かれたものが大半ですが、動物が描かれたコインは数が少なく人気があります。フリードバーグのカタログ（最新号10th Edition)によると、本銘柄（Fr‐89a)の価格ガイダンスはVF‐EF程度で2000ドルになっています。前回の9th Editionでは900ドルでしたので、最近の人気度合いがわかります。ただしこの2000ドルすら過去のものになりつつあり、先日の海外オークションではCh VF評価が手数料込み5040ドルで落札されました、日本円ベースの税込み額は90万円ほどです。
グプタ朝時代のディナールは、描かれている図柄によって人気に差があります。このコインはグプタ朝中期のコインで、グプタ朝特有の自由な表現を見せています。グプタ朝のディナールの魅力は、型にはまらず自由でインド的な人物姿にあると思います。
本貨はケースにはっておりませんので、手で直接触れて頂くことができます、皆さんも古代の手触りをお楽しみください。
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■サイズ：直径18
〜19ミリ、重さ約7.5グラム
■本貨は、鑑定会社のケースに入っていない“裸のコイン”ですが、本物であることを保証いたします、どうぞご安心のうえお買い求めください。万一偽物と判明した場合、他の「ときいろ」の商品と同様、無期限に返品を承ります。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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