状態:PCGS‐MS64PL(UNC+/未流通)
ペルーの100ソルは1950年から1970年にかけ9万枚ほどが発行されていますが、これは通常貨にしては異例の少なさです。なかでも1952年(本貨)と1958年の2年銘は100枚前後しか発行されておらず「大特年」といっていいでしょう。
少し長くなりますが、年号別の発行枚数は以下の通りです。
1950年:1,176枚
1951年:8,241枚
1952年:126枚 ←コレです
1953年:498枚
1954年:1,808枚
1955年:901枚
1956年:1,159枚
1957年:550枚
1958年:101枚
1959年:4,710枚
1960年:2,207枚
1961年:6,982枚
1962年:9,678枚
1963年:7,342枚
1964年:11,000枚
1965年:23,000枚
1966年:3,409枚
1967年:6,431枚
1968年:540枚
1969年:540枚
1970年:425枚
この銘柄は、一番古い年号の1950年銘ですら発行後73年しかたっていませんが、逆にいえばあと30年ほどでアンティーク・コイン(注)の仲間入りです。
注)欧米では制作後100年経過がアンティークの目安になるそうです。
欧米のコインを見渡すと、発行から100年が経過したあたりから、相場が急騰する例をよく目にします。例えば皆さんよくご存じのオーストリアで1908年に発行された、フランツ・ヨーゼフの100コロナ金貨(通称「雲上の女神」)は、20年ほど前までは「世界で最も安く入手できる大型金貨」などと呼ばれていましたが、今ではPR63クラスですら500万円以上の値が付きます。なお発行枚数は1.6万枚と決して少なくはありません。
ほかに同時代のイギリスで発行されたジョージ5世の5ポンド(1911年発行、発行枚数2812枚)も近年急に値上がりし、PR63程度でも250万円ほどはしますし、また続くジョージ6世の5ポンド(1935年発行、発行枚数5500枚)もPR63が180万円ほどです。
上の事例は単年発行ですが、連年発行コインでも同様の傾向にあります。
たとえばチェコスロバキアで1929年から1938年と1951年にかけ発行された10ダカット金貨(バン・セラセスが騎馬に乗っている図柄)は、どの年銘も発行数が少なく600枚から1500枚前後なのですが、特に1937年、1938年、1951年の3年号は少なく、それぞれ34枚、192枚、100枚の大特年です。この3年銘は枚数が少なくめったに市場に姿を見せませんが、過去のオークション事例を見ると、2016年に1938年銘(192枚発行)の「PCGS‐AU details(Cleaning)」が出品され、ハンマープライス70,000ドルで落札されています、現在の為替レートで総支払額は1400万円を超えています。並年ならAU detailsクラスで150万円ほどが相場なので、特年と並年の価格差がよくわかります。
発行された年はチェコの10ダカットのほうが本貨より20年ほど早く、総発行枚数も1/10ほどと少ないですが、連年発行の希少金貨という点ではペルー100ソルに似ています。
さてこのコインについてです。
ご覧のように本貨はPCGS社によってPL(プルーフライク)と鑑定されています。PLはプルーフ貨でないけれど、まるで贈呈用に作られたプルーフ貨のように、輝きが美しいコインに与えられるプラスの評価です。プルーフライクか否かは鑑定人の主観で決まりますが、本貨は文句なくプルーフライクです。加えて状態も良いと思います、細かいキズはいくつかあるものの、PCGS社のMS64評価の通りまずまずの好状態です。
プルーフライクやプルーフのコインは写真を撮るのが難しく、光のあたり加減によっては輝きが見えず、黒ぽいように写ってしまいますし、角度を変えて撮ると光が反射しすぎて図柄が飛んでしまいます。そのあたりを踏まえ、正面からの写真を2枚(1、2枚目の写真)をアップにしましたので見比べてください。なお、この2枚の写真の1時のフィールド部分に細い縦線が2本見えますが、これらはコイン本体のキズではなくケースのキズです。このコインの見どころは女神様の顔で、その大切な顔に傷がついている個体をよく見ますが、ご覧のように本貨はキズがなくキレイです。
なおこの1952年銘はPCGS社によって11枚のみ鑑定されていますが、内訳は以下の通りです。
MS64+:1枚 (うち1枚はPL)
MS64:3枚 (うち1枚はPL) ←ココです
MS63:6枚 (PLは無し)
AU58:1枚 (同上)
上のようにPCGSの鑑定数は少ないのであまり参考になりませんので、以下NGC社の鑑定実績と合わせてご参照ください。NGCは本年銘を16枚鑑定しています。
MS67:1枚 (うちPLは1枚)
MS66:1枚 (同1枚)
MS65:2枚 (同1枚)
MS64:1枚
MS63:2枚 (同1枚)
MS62:6枚 (同1枚)
MS61以下:3枚 (2枚のDetails鑑定を含む)
並年なら各年号とも100枚以上が鑑定されていますので、1952年銘の希少さがわかります。また上の数字だけをみると、案外とPL鑑定が多いように見えますが決してそんなことはありません。NGC社はこの銘柄をすべての年号を合わせ1910枚鑑定していますが、PL鑑定は101枚(5.3%)にすぎません。
ペルー100ソルは、最近の金価格上昇や割安感に注目したカイなどによって、オークション落札相場も上昇傾向にあります。特に状態の良い個体や希少年号の値上がりは顕著です。まだ現代コインから脱し切れていない銘柄ではありますが、発行枚数の少なさやデザインの美しさという点で、これからチェコの10ダカットのように出世する可能性があると店主は思います。
特に本貨のような特年は、これから折に触れ注目を集めると思います。なお、店主はここ10年ほど国内で(当社が昨年販売した2枚を除き)1958年/1952年銘を見ていません。
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■サイズ:直径37ミリ、重さ約46.8グラム、金品位:90%
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のPCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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