状態:PCGS-MS63(UNC/未流通)
ガンガ朝は5世紀頃から15世紀頃まで、インド東部にあったヒンドゥー教の国です。資料が少なくわかっていないことが多いのですが、本貨が(西)ガンガ朝によって発行されたのはどうやら間違いなさそうです。
このコインは無銘(文字は書かれていない)ですが、オモテは盛装したゾウが、ウラには花をモチーフにした渦巻き模様が刻印されています。ゾウさんがデザインされていることから「ガジャパディ・パゴダ(ゾウさんのパゴダ=象王印)」と呼ばれ、大変人気のあるコインです。このコインは年に1〜2枚、国内のオークションに出てきますが、本貨のようなMS鑑定の個体はめったに出てきせん。
なおPCGS社の鑑定実績は以下の通りです。
MS65:1枚
MS64:7枚
MS63:10枚 ←ココです
MS62:7枚
AU58:7枚
AU55:1枚
さてこのコインについてです。
はじめてご覧になる方は、いったいどこがゾウさんの顔かお分かりにならないのではないでしょうか。4番目の写真がわかりやすいかもしれません。この銘柄はゾウさんの目が切れているものが多いですが、ご覧のように本貨にはぎりぎり目が入っています(コインの12時のフチ近く、ケースのツメの下にあるのが目です)。
2時から5時のあたりまで長く伸びているのがハナで、その途中2時半のあたりにはキバがみえます。コインの真ん中には装飾された胴体があり、その胴体から下に向かって2ホンのかわいらしい脚が伸びています。2本の脚にはそれぞれ飾り物の輪っかがはめられています。
この銘柄の場合、小さなコインのなかにゾウさんをすべて入れてしまうという技術的な難しさがあり、顔から足先まで完全に入りきらない個体が多いです。でもご覧のように本貨は頭から脚さき、ハナの先まで入っており良好な打刻状態です。
また使用による摩耗もほとんどなく、ハナや脚、胴体に施された装飾の高い部分もきれいに残っており、この銘柄にしてはかなりの高状態です。
ウラ面は冒頭のように花をモチーフにした渦巻きの文様ですが、小さなコインの中に躍動感と芸術性を感じることができますし、摩耗やキズもなくきれいに打刻されています。
こうやって見ると小さなコインの中に細かく刻印されていて、なんともかわいらしいコインです。直径15ミリほどの小ブリな金貨ではありますが、本貨のような高状態は希少性が高いです。インド古来の金貨としてもっと人気が出ると店主は思います。
なお「ときいろ」では今年(2024年)2枚、本銘柄のMS63を42.8万円で販売させていただきました。少し円安が進んでいますが今回も同じ価格に設定しました。
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■サイズ:直径13〜15ミリ、重さ約3.9グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社のPCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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