□状態:ANACS-VF30(VF)
このコインは古代インドで鋳造されたディナールとよばれる金貨です。鋳造されたのはヴァスデヴァ2世(AD267-300年)時代です。
サイズは直径約1.8センチ/重さは約7.8グラムで、現代コインと比べると小さいですが、古代は金の産出量が少なく、これが標準的なサイズです。当時のインドは帝政時代のローマと交易しており、サイズを統一したと考えられます。当時のローマではアウレウスと呼ばれる金貨が使われていましたが、サイズ・重量とも本コインとほぼ同じです。帝政ローマ時代のアウレウスなら、この程度の状態で50万円をくだることはありません。
オモテ面は王様の立像で、右手には三叉の戟(さんさのげき)を持っています。ヴァスデヴァ2世はスカートとブーツを履いており、クシャン朝がもっていた騎馬民族的な要素がうかがえます。
ウラ面はインドのヒンドゥー教の神のシヴァ(OHPO)の立像ですが、OHPOをシヴァ神ではなくゾロアスター教の「風神ウェーショー」だと考える人もいます(田辺勝美1992)。そしてシヴァの背後には後光がさしています。カニシカ王の時代にクシャン朝はゾロアスター教から仏教に改宗していますが、生活の中にはゾロアスター教的な要素が残っていたのかもしれません。
なお本コインはANACS社の鑑定済みコインで、同社のケースに入っております。ANACS社はアメリカのコロラド州で1972年に設立された、アメリカでもっとも古いコイン鑑定会社として信頼を得ています。同社の特徴の一つは古代インドの鑑定人がいる点で、ご覧のように評価を数字1-70までで行い、基準はPCGSやNGCの基準と同じです。なお現在ではANACS社はNGC/PCGSに次ぐ3番目のシェアを持っており、アメリカの大手オークションでも同社の鑑定済みコインは出品することができます。
現在のところ古代コインを鑑定できるのは、大手ではANACSしかありません。鑑定済みのクシャン朝ディナールはめったに市場に出てきません。
なお本貨に対するANACSの評価は写真のようにVF30ですが、これは古代インドコインに対する同社の評価としては標準的なグレードです。ご覧のようにウラ/オモテとも摩耗が進んでいますが、ヴァスデヴァ2世のディナールとしてはまずまずの状態です。
近年アジアのコインは全般的に値が上がってきましたが、なかでも「ときいろ」はインドの金貨と銀貨に注目しています。人口増と富裕化が同時に進みつつあるインドは、中国に続いて有望なコイン市場に成長すると店主は思います。
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■サイズ:直径18ミリ、重さ約7.8グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社では唯一古代インドを鑑定できるANACS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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