□状態:NGC-MS、Strike:5/5 Surface:4/5(AU+)
このコインは紀元前50年前後にドナウ川周辺にいた、スキタイ人の国トラキアで造られました。オモテ面は3人の人物が描かれており中央はローマのコンスル(執政官)と考えられています。先頭を歩く護衛の前に文字が書かれていますが、これは合わせ文字で一説にはBRと読み、このコインがカエサルを暗殺したブルータスと何らかの関係があると考える人もいます。その根拠はいくつかあるようですが、同時代にローマで発行されたブルータスの銀貨(「デナリウス銀」)の裏面にも、本貨と同じく前後を護衛された執政官を描いたものがあるからです。このようなことからブルータスとこのコインの間に、何らかの関係があると考える人もいるようです。
ブルータスはカエサルを暗殺(BC44年)した後、その地盤をローマの東部に置いています。このことからも、ブルータスはこのコインが発行されたトラキアと、何らかの結びつきがあったのかもしれません。そのような点から考えると、本貨に描かれた中央の人物がブルータスである可能性もあると思いますし、実際にそのような見方をする人もいます。なおオモテ面の3人の人物の下に、このコインが発行された都市名(Koson=Coson=コソン)がギリシャ文字で書かれています。裏面はわしの絵でレースをつかんでいます。
さてこのコインについてです。
ご覧のようにNGC社の評価で MSとなっていますが、その評価通りほとんど流通痕が見あたりません、この銘柄のMS鑑定コインの中では状態が良い方です。オモテはやや左側に、ウラはやや右側にセンターがずれていますが、本貨の「ずれ」は軽微で許容の範囲内です。NGC社がStrike(打刻)の評価を最高評価の5/5としている点も、それを裏付けています。また輝きの具合から考えて、店主は本貨が軽く磨かれていると思いますが、Blush/Smoothingなどのネガティブなコメントもなく、NGC社はわずかにSurfaceを4/5にするにとどめています。NGCは「軽微な磨き」と考え、ネガティブなコメントを控えたのだと思います。
この銘柄は状態の良い個体が比較的たくさん残っており、古代の金貨としては比較的安く入手できます。古代の金貨は、その歴史的貨価値を織り込む形で相場が徐々に上がっていますので、いずれこの価格では入手が難しくなってくると思います。
直径1.8センチほどの小型の金貨ですが、経済の規模が小さかった古代では、これが標準的な金貨のサイズです。
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■サイズ:直径18ミリ、重さ約8.62グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGCの鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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