□状態:NGC-MS63(UNC/未使用)
1766年にナポリ・シシリー王国で、フェルディナンド4世時代に発行された中型の金貨(直径2.7センチ、重さ8.8グラム)です。当時のイタリア南部はスペインに組み込まれていましたので、このコインの裏面には(イタリアなのに)Hispania(スペイン)の文字が書かれています。
当時スペイン本国でカルロス7世が王位を継承するにあたり、ナポリとシチリアは三男のフェルディナンド4世に譲りました。この銘柄はフェルディナンド4世が王位を継承した1759年に発行され1768年まで発行されています。フェルディナンド4世は1751年に生まれていますので、本貨の肖像はまだ8歳の少年時代の姿です。フェルディナンド4世の6ドゥカティはその後「第二肖像(1768年から1781年)」、「第三肖像(1783年から1785年)」と続き、徐々に肖像も老けてゆきます。第一肖像コインはこの6ドゥカティが最高額面で、以下4ドゥカティ、2ドゥカティと続きます。
さてこのコインについてです。
250年以上前に発行されたこの銘柄は、当時の鋳造技術の問題もあり、概して出来は良くありません。多くの個体は打ちが弱く、さらにアジャストメントマーク(注)が見られるものも多いです。
注)アジャストメントマークはいったんコインが完成した後、重さを調整するためにコインの表面を削り取ることによって付くキズで、この時代のコインにしばしば見られます。もちろん無いに越したことはありませんが、大きな欠点とは見られていません。
本貨も全体にやや打ちが弱く、特にウラ面の紋章の一部が不鮮明です。オモテのフェルディナンド4世の顔部分に、わずかながらアジャストメントマークが見えますが、この銘柄にしては軽微なものです。
一方でご覧のようにオモテ/ウラとも輝きが美しく、フィールド部分もスレやキズなどほとんどなく、落ち着いた艶消し状の輝きです。
ここのところヨーロッパの大型コインの値上がりに引っ張られる形で、小型の金貨の値上がりが目立つようになってきました。この銘柄はまだまだ安く入手できますが、時代もありますし状態もまずまずですから、これからヨーロッパの金貨を集めたいとお考えの方とって、ちょうどよいコインだと思います。
なおNGC社による1766年銘の総鑑定数は27枚ですが、内訳は以下の通りです。
MS66:3枚
MS65:3枚
MS64:5枚
MS63:6枚 ←ココです
MS62:6枚
MS61以下:4枚
ご参考までに本貨(1766年銘)のカタログ価格は、Standard Catalog of World Coins 7th EditionでXF40が1000ドルですが、それ以上の状態は未記載です。またフリードバーグではXFで1000ドルとなっています。
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■サイズ:直径27ミリ、重さ約8.8グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGCの鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
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