□状態:NGC-Ch XF Strike5/5,Surface4/5(FDC/完全未使用)
今のトルコ(アナトリア半島)南西部にあったカリア(CARIA)で紀元前4世紀に発行されたテトラドラクマ銀貨です。当時この地域はアケメネス朝ペルシアの統治下にありましたが、実質的にカリアは独立状態にありました。NGC社のラベルにSATRAP(サトラップ)とありますが、サトラップはササン朝から統治を委任された行政官のことです。行政官ではありますが、多くのサトラップはこの時代アケメネス朝から独立しており、マウソロス(Maussollusu)もカリア王と呼んで差し支えないでしょう。
さてこのコインについてです。
オモテはギリシャ神話に出てくる光の神アポロン、ウラはゼウスの立像で、ゼウスは両刃の斧(Labraundus)と槍を持っています。ご覧のようにアポロンは立体的に打たれており、古代の美術品としても鑑賞に堪えうるコインだと店主は思います。この銘柄はロードス島で発行されたテトラドラクマに刻印された「太陽神ヘリオス」と似たデザインです。発行された時期は本貨が70年ほど早いことから考えて、本貨がロードス島の「太陽神ヘリオス」に影響を与えたのではないかと思います。
この銘柄は一枚一枚アポロンの顔が違っていて、そこが面白いところです。発行された当時には同じ極印で何枚も打たれたのでしょうが、古代コインは大半が消失していますから、同じ極印で打たれた個体を見つけるのは至難です。この銘柄はアポロンの顔が見どころですが、そのアポロンの顔や表情によって随分と市場価格に開きがあります。本貨はアポロンがきれいに中央に収まっていますし、表情もまた柔和で愁いを帯びており、このように深い精神性が感じられる個体には高値が付きます。
残存数も少ないようで、NGC社の鑑定数をみても29枚しかありません。例えばアテネの「ふくろう」などは1万枚以上も鑑定されていますので、この銘柄の希少さがわかります。そもそもオークションにはめったに出てきませんし、そのなかでも店主が欲しいと思うアポロンは1年に一枚あるかどうかです。
値は張りますが、古代コインがお好きな方にはぜひお持ちいただきたいコインです。
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■サイズ:直径24ミリ、重さ約15.22グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
■ゆうパック、もしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みか、クレジットカード決済でお受けしております。
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