□状態:PCGS-AU58(EF+)
このコインはイギリス統治時代のインドのカルカッタで、1862年に造られた1モハール金貨です。
オモテ面はインドの民族衣装を着たヴィクトリア女王、裏面にも東洋的な紋様が描かれておりセンスが感じられるコインです。なおこのコインの表面にはQUEEN VICTORIAと刻印されていますが、1877年にイギリス国王がインド帝国の皇帝を兼務するようになってからは、EMPRESS VICTORIA(女帝ヴィクトリア)になります。
インドでは1858年にムガール帝国が滅び、それまでのイギリス東インド会社による支配に代わって、イギリスによる直接的な統治(イギリス領インド帝国)が始まります。ですからこのコインはイギリス領インドで初めて造られた金貨ということになります。余談ですが東インド会社による統治時代にも、イギリスの王様が描かれたコイン(ウィリアム4世とヤングビクトリア)が造られていますが、それらのコインにはEAST INDIA COMPANYと刻印されています。
1862年銘のモハールには様々なバリエーションがあります。例えば肖像面の草紋様のなかにホンの小さな「V文字」が刻印されているもの、そのVが裏面の年号の下の唐草紋様の中にも打たれているもの、肖像面のヴィクトリアの胸正面のパネルの三段目に花が一つ描かれたもの(本貨=5番目の写真参照)、その花が二つのものなどです。これら数通りのバリエーションの市場での出現率は異なりますが、いまのところ売買相場に影響はないように見えます。
さてこのコインですが、コインのウラ/オモテにわずかな使用痕や細かい傷はありますが、輝きは残っており、この銘柄にしてはマズマズの状態でPCGSの鑑定AU58は妥当だと思います。拡大写真をご覧いただけるとお分かりのように、V on bust and reverse (=オモテのヴィクトリアの胸とウラ面の年号に下にそれぞれVが打たれたタイプ)で、出現率はやや少なめです。なお「オモテ面のV」は4番目の写真の中央に、「ウラ面のV」は10番目の写真の中央にホンの小さく映っています。
ご参考までに、この銘柄(1862年銘のV on bust and reverse)のPCGSは3枚しか鑑定されておらず、内訳はMS62/MS61/AU58(本貨)それぞれ一枚ずつです。
なおインドのコインはここのところ徐々に値を上げており、英領インドの金貨も有望だと店主は思います。
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■サイズ:直径約26ミリ、重さ約11.66グラム(金品位:91.7%)
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるPCGS社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心ください。
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