□状態:NGC-MS64(UNC+)
この金貨はムガール帝国のシャー・アラム2世(在位1759年-1806年)時代に、ベンガルのムルシダーバード(Murshidabad)鋳造所で発行されたコインです。発行は西暦1787年(ヒジュラ歴1202年=ラベル表記)です。当時のムガール帝国は弱体化が進んでおり、このコインが発行された時点で、すでにベンガル地方はイギリス東インド会社の統治下(=「ベンガル保護領」=Bengal Presidency)にありました。貨幣の発行もイギリス東インド会社が独自で行ったもので、ご覧のようにインド土着のスタイルではなく、機械製造されたヨーロッパ式スタイルです。
さてこのコインですが、ご覧のようにオモテ/ウラとも出来上がった当時の輝きをとどめており、230年も前に造られたコインだとは思えません。目だった摩耗やスレ、ヘアラインもなく、この銘柄にしてはかなりの高状態です。なおNGC社によってこの銘柄は235枚鑑定されていますが、分布は以下の通りです。
MS65: 8枚
MS64+: 3枚
MS64: 61枚 ←ココです
MS63: 91枚
MS62: 48枚
MS61以下: 24枚
なおStandard Catalog of World Coins 9th editionによると、この銘柄(KM-144)の価格ガイダンスはXF40で1400ドルとなっていますが、それを超える状態の記載はありません。
ここ数年インドのコインの価格上昇が顕著です。この銘柄も2年ほど前までは20万円前後で買えたものですが、最近のオークション事例をみると1800ドルから2400ドルほどで落札されるようになりました。総支払額ベースで35万円から47万円ほど(1ドル=148円で換算)です。ペルシャ文字で書かれており、紋様も私たち日本人にはなじみがないデザインですが、インドの富裕化に伴って値を上げてゆくコインだと店主は思います。
■サイズ:直径約26ミリ、重さ12.36グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っており、真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求め下さい。
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