□状態:ANACS-VF30(F)
グプタ朝はチャンドラグプタ1世の時代(AD320-335年ごろ)に建国され、3代目のチャンドラグプタ2世の時代に北インドから南インドまで版図を広げました。このコインはどの王様の時代に発行されたものか不明ですが、様式から考えておそらく3代目のチャンドラグプタ2世(在位AD376-415年)、4代目のクマラグプタ1世(在位AD414-455年)5代目スカンダグプタ(在位AD455-467年)時代のいずれかに発行された金貨だともいます。なおクマラグプタ1世時代以降は、北方の遊牧民エフタルの侵入によって経済的な衰退がはじまり、金貨の鋳造量も減ったといわれています。
この時代の金貨はクシャン朝時代と同様ディナールと呼ばれており、サイズや重量もクシャン朝時代の金貨の様式を踏襲しています。ただし図柄はずいぶんと変わり、本貨のオモテ面は王様の立像は、いかにも東洋的に体がしなやかにしなっています。なお王様は右手に矢を、左手には弓をもっています。ウラ面はヒンディーの神様ラクシュミで蓮の花の座にあぐらをかいています。摩耗して見にくいですがラクシュミが右手に持っているのは長い帯が結ばれた王冠です。グプタ朝コインの人物や神様の描き方は独特で、クシャン朝時代と違い東洋的な体の柔らかさが感じられます。
店主はこのグプタ朝のディナールが好きで、良い個体が出てきたら市場で買い付けるようにしています。収集家も多くグプタ朝のディナールはめったに入手できません、「ときいろ」でも本貨を含め今まで4枚しか販売しておりません。
グプタ朝時代のディナールは、描かれている図柄によって人気に差があります。このコインはグプタ朝時代中期のコインで、グプタ朝特有の自由な表現を見せはじめています。グプタ朝のディナールの魅力は、型にはまらず自由でインド的な人物姿にあると思います。
■サイズ:直径約17ミリ、重さ約7.6グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるANACS社の鑑定ずみケースに入っています。真贋は同社によって保証されていますのでご安心ください。
■ゆうパックもしくはクロネコヤマト便でお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みか、クレジットカード決済でお受けしております。
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