オンラインショップ「ときいろ」

□状態：NGC-Ch AU Strike3/5,Surface4/5（EF）

このコインは紀元前230年から同205年にかけ、エーゲ海のロードス島で造られたテトラドラクマ銀貨です。同じデザインで1/4のドラクマや、半分のサイズのディドラクマもありますが、このコインは大型のテトラドラクマです。

表面にはギリシャ神話の太陽神ヘリオスが立体的に刻まれています。ロードス島にはこのコインより少し前の時代に巨大なヘリオス像が建てられましたが、ちょうどこのコインの時代、紀元前227年に倒壊したといわれています。裏面はロードス島で咲き誇るバラの花で、バラの右側には船のへさき部分が描かれています。
 
このコインはしばしば国内外のオークションに姿を見せますが、常にコレクターの注目をあつめ高値を付けます。2013年にはオークションカタログの表紙を飾り、VF評価の個体が68万円をつけたこともあります。「ときいろ」でも過去1枚だけ出品しており、その個体の状態はCh XF Strike5/5,Surface4/5でしたが、29.8万円でお買い上げいただきました。今回の個体は裏面の僅かなデザイン違い版で、これはおそらくコイン発行者の違いではないかと思います。ご参考までに前回の個体の発行人はAMEINIAS(アメイニアス)、本貨の発行人はARISTOKRITOS(アリストクリトス)と読めます。いずれにしても本貨は希少なコインです。
 
さてこのコインですが、ヘリオスの左目にホンの小さなキズがありますが、なにぶん2200年も前に造られたコインですので、この程度の軽微なキズはやむをえません。それ以外はご覧のように素晴らしい状態でほとんど摩耗もありません。この銘柄にしてはかなり状態の良い個体だと思います。一方で打刻という点から見ればヘリオス面、バラ面とも少しセンターからずれており、それがNGCの評価がStrike3/5にとどまった理由です。
 
ヘリオス面は凹凸が美しく出ており、このコインの特徴である立体感の良さがよく出ています。コインとしてだけでなく、古代の美術品としても鑑賞に堪えうるコインだと店主は思います。