オンラインショップ「ときいろ」

□状態：NGC-MS62(UNC-)

現ドイツ、ザクセンで1587年に発行された1ターレル銀貨です。肖像は当時の領主クリスティアン1世（在位1560年-1591年）で、おもて面のフチの部分12時から4時のあたりにクリスティアン（CHRISTIAN）の刻印がきれいに打たれています。またご覧のようにクリスティアンの背景にはこのコインが造られた年号、1587がはっきり打たれています。ターレルは今のドイツやオーストリアなどで1500年代から発行されるようになり、本貨はターレルの中では最初期のもので「古ターレル」と呼んでもいいでしょう。
 
1500年代のターレルはもともとさほど多く残っているわけではありませんし、あったとしても状態が悪いものが大半です。もちろん鑑定会社のケースに入って数字がつくものもありますが、このコインのようにMS(ミントステート：未使用状態)の評価がつくものは稀です。このコインは写真をご覧いただいてお分かりのように、文字・肖像ともはっきりと強く打たれており、摩耗の痕跡はほとんど見られません。
 
なお以下は、国内のある大手オークションに直近7回（2020年1月から2021年7月）出品された、すべてのターレル226枚の年代別の内訳です。

・1500年代：13枚（約6％）
・1600年代：89枚（約40％）
・1700年代：124枚（約54％）
 
さらに1500年代のターレル13枚を細かくみますと以下のようになっています。

MS：2枚（MS64が1枚、MS61が1枚）
AU：4枚（AU50が1枚、AU55が2枚、AU58が1枚）
VF/XF：4枚
数字なしDetails評価：3枚
 
上記のように1500年代のMSクラスのターレルは226枚のうちたったの2枚しかなく、その希少性がわかります。
 
またNGC社の鑑定分布をみますと、この銘柄の総鑑定数3枚しかありません。内訳はVF35が1枚、XF45が1枚、そして本貨MS62が一枚、したがって本貨は単独の最高鑑定です（2021年7月現在）。

最近ターレルの相場は徐々に上がってきてはいますが、アジアや中南米で1800年代に発行された大型銀貨の相場上昇から見れば、店主はこの時代のターレルは評価不足ではないかと考えております。特にこのコインのように状態の良い古ターレルは滅多に市場に出てきませんので、もっと高く評価されてよいのではないでしょうか。