この作品は1931年に公開されたディズニー最初期の映画「Mickey’s Orphans=ミッキーの子だくさん」の制作過程で描かれたストーリーボードです。
ストーリーボードは映画の筋立てを共有するために、アニメーターが描いたスケッチです。本作品はご覧のように4つのコマの場面で構成されており、それぞれにアニメーターの説明書きがあります。最初のコマではミッキーが捨て猫チビちゃん軍団のうち一匹とボクシングをして遊んでいて、2つ目のコマではそれを見ていたプルートが「僕も遊んで!」と猫に代わってボクシング、猫と違ってプルートのパンチは強く、ミッキーがぶっ飛んでしまい4コマ目につながります。
3コマ目には本作品を描いたFrenchy(フレンキー:Frenchy Tremaudan)が自らのサインを手書きしています。Frenchy Tremaudanは初期のウォルト・ディズニー・スタジオのアニメーター兼ギャクの構成担当で、1930年から1938年まで勤めた初期スタッフです。
なお本作品は黒鉛筆で手描きされた一点もの原画で、2ペグホールのアニメシートに縦書きされています。印刷物、複製画、版画(シルクスクリーン)などではございません。また額の裏側は写真10枚目のように部分的な破れや時代による劣化が見られます。