オンラインショップ「ときいろ」

□状態：NGC-PF66 CAMEO(FDC)

アメリカでは1873年から1885年までの13年間、主にアジア諸国との貿易決済の目的でトレード・ダラーと呼ばれる1ドル銀貨を発行しました。毎年数十万枚から数百万枚の通常貨を造りましたが、ごくわずかながら贈呈用のプルーフコインも造っていて、本貨もその一枚です。なお各年に発行されたプルーフ貨の枚数は以下の通りです。
 
・1873年：600枚
・1874年：700枚
・1875年：700枚   ⇒本貨はコレです
・1876年：1,150枚
・1877年：510枚
・1878年：900枚
・1879年：1,541枚
・1880年：1,987枚
・1881年：960枚
・1882年：1,097枚
・1883年：979枚
・1884年：10枚
・1885年：5枚
 
上記のようにもともと発行枚数が少ないのですが、本貨のようにPF66 以上の数字が付くコインは稀です。以下はNGC社による1875年銘プルーフ貨の鑑定分布ですが、CAMEO評価の総数76枚のうち本貨PF66 CAMEOは最高鑑定です。以下はCAMEO評価の上位鑑定枚数です。
 
・PF66 CAMEO:　7枚　←ココです
・PF65 CAMEO:　12枚
・PF64 CAMEO:　27枚
・PF63 CAMEO:　11枚
・PF62 CAMEO:　15枚
・PF61 CAMEO 以下:　4枚
 
なおCAMEOはプルーフ貨の中でもヘアラインが少なく輝きが美しいコインに対して付されるプラスの評価で、CAMEOよりさらに鏡面度合いの高いコイン対してはULTRA CAMEOのコメントが付きます。なお1875年のULTRA CAMEOは5枚あり、PF65 ULTRA CAMEOが2枚、PF64同、PF63同、PF62同がそれぞれ1枚ずつあります。さらに1875年銘にはCAMEOが付かないプルーフ貨157枚がNGCによって鑑定されています。以下はCAMEOナシ、通常のプルーフ貨の上位鑑定分布です。
 
PF67: 7枚
PF66: 5枚
PF65: 12枚
PF64: 27枚
PF63以下: 106枚
 
ご覧のようにCAMEOが付かない通常のプルーフ貨ですら、PF66以上は12枚しかありません。
 
さてこのコインですが、ご覧のようにウラ、オモテともにカメオ状の大変すばらしい状態で、造られてすでに150年近く経っていますが、見た目はあたかも現代に造られたプルーフコインのようです。4枚目の拡大写真をご覧いただくとお分かりのように、オモテ面の女神さまの膝上あたりのフィールドに、複数のヘアラインがありますが、ごく軽いものです。
 
店主は国内の大手オークションの過去2年の出品記録を調べてみましたが、グレード別の出品数は以下の通りでした。
 
・PF64 ULTRA CAMEO: 1枚
・PF64 CAMEO: 1枚
・PF64 : 1枚
・PF63 CAMEO: 2枚
・PF63 : 2枚
・PF61 : 1枚
　合計8枚
 
注）PCGSのPRはPFに、Deep CAMEOはULTRA CAMEOに読み替えて集計しました。
 
アメリカのレアコインは1980年代に急騰し、その後1994年まで下げ続けましたが、1994年以降は26年間もボックス圏内にとどまります。ヨーロッパのレアコイン相場がこの間ずいぶんと値上がりましたので、逆にアメリカのレアコインは割安感が出てきたと店主は思います。なお本銘柄のカタログ価格ですが、Standard Catalog of World Coins 9^th editionによれば、本貨1875年銘の価格はPF65が10,500ドル（日本円で税込み127万円ほど）です。