□状態:NGC-UNC Details(Polished)
このコインはアンナン(現在のヴェトナム)で造られた大型の銀貨です。
アンナンはフランスの植民地になっていたこともあり、当時のアジアとしては珍しく西洋基準の大型銀貨を造っていました。但し、このコインは庶民が一般に使用したものではなく、贈呈などの用途でごく僅かに造られたものです。しかも第二次世界大戦終結以降、フランスが撤退するおりにその大半が持ち出されたうえ溶解されたと考えられ、このコインは現在ほとんど残っておりません。わずかに残されたコインも大半は首からかけるため上下に穴があいています。穴あけを免れたとしても多くは磨きや洗浄痕があって、鑑定会社のケースにおさまり且つ数字が付くものはとても希少です。
ご覧のようにこのコインの評価はUNC Detailsで数字はついておらず、Polished(磨き痕アリ)です。Polishedはコインをきれいに見せるため、布や皮などで磨くことによってできる瑕疵です。
今でこそコインの磨きは、コインの価値を下げる行為と広く認識されていますが、ヨーロッパのコイン文化が入ってくる前までは、アジアではこのような“磨き”は一般に行なわれていました。この銘柄を含むアンナンのコインも例外ではなく、大半のコインは鑑定会社のケースに入るとPolished やCleaned 、Surface Hairlinesなどのマイナスコメントがつけられ、数字が付くコインは滅多にありません。このコインも一見美しく見えますが、コインの表面が鏡面状に輝くまで念入りに磨かれています。Details(コインの瑕疵)も軽微なものから重度なものまで様々ですが、このコインの磨きは重度なものだといえるでしょう。
数か月前に「ときいろ」はアンナンの7銭銀(NGC-AU Details/Cleaned)をお売りしましたが、当時の値付けは38万円でした。本貨に対するNGC社の評価は1ランク上のUNC(未流通)ではありますが、Polishedの度合いが強いと判断し、今回は34万円の価格設定とさせていただきました。それでもこのコインは穴があけられておらず、まずまずの希少品です。近年のアンナンの金貨銀貨の相場上昇によって、本貨のように欠点があるコインでも、目を見張るほど値上がりしています。
ちなみにMS63程度の数字がつきますと、このコインはオークション市場で300万円ほどの値が付くようになってきました。
■サイズ:直径約43ミリ、重さ約19.04グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っております。真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求めください。
■ゆうパックまたはクロネコヤマでお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みでお受けしております。
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