□状態:NGC-MS61(AU+)
このコインは南ぺルーのクスコで1838年に発行された8エスクード金貨です。南ペルーは1836年に建国されましたが、わずか3年後の1839年に消滅してしまいます。3年しか続かなかったので発行されたコインも少なく、金貨は本銘柄(太陽の上にある星が4つのタイプと5つのタイプがあります)と1/2エスクード、1スクードの3種だけです。本銘柄も1837年と1838年の2年間しか発行されていませんので、南ペルーの8エスクードは希少なコインだといえるでしょう。
デザインはオモテに可愛らしい太陽(サンフェース)が描かれており、ウラ面は火山と要塞、海の上には船が浮かんでいます。当時、南米諸国はスペインからの独立を果たし、南米国家として新しいデザインの金貨を発行しはじめました。なかでも太陽をモチーフにした大型金貨は、本銘柄以外にもアルゼンチンやチリ、ボリビアなどで発行されました。これらの金貨はいずれもスペイン植民地時代には無かった南米らしいデザインで、今後さらに人気化すると店主は考えております。中南米の大型金貨の相場上昇もあり、このコインもここのところ値上がり傾向にあり、今後も楽しみなコインだと思います。
さてこのコインですが、この時代の南米コイン共通の特長でもありますが、打刻がやや甘く、太陽の顔や要塞の紋様がはっきりと出ていません。これは使用による摩滅に加え、上記のようにもともと打ちが弱かったからです。一方で周辺部分の文字や裏面のレースあたりはシャープに打たれていますし、その周辺部分のフィールドも、鋳造当時の輝き残しています。オモテ面の11時の位置に書かれたSUDの「S」の左上にわずかな凹みがありますが、1ミリ程度のごく小さなもので本貨の価値にさほどの影響はありません。総じて状態の良いコインです。
ご覧のようにNGC社の評価はMS61です。同社の本銘柄(1838年銘)の鑑定総数は34枚で、以下は鑑定の分布です。
MS66: 1枚
MS65: 1枚
MS64: 1枚
MS63: 4枚
MS62: 6枚
MS61: 5枚 ←ココです!
AU58以下: 7枚
数字なしDetails: 9枚
上記のようにMS61は真ん中あたりの状態ですが、不思議なことに市場にはMSクラスのコインはめったに出てきません。スペインから独立後の最初期コインとして、本貨は楽しみなコインだと思います。
■サイズ:直径約34ミリ、重さ約27グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っております。真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求めください。
■ゆうパックまたはクロネコヤマでお届けします。
■お支払いについて:本商品は銀行振り込みでお受けしております。
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