□状態:PCGS-MS63(UNC)
このコインは1854年に現在のドイツにあったブラウンシュヴァイク・ウォルフェンビュッテルという公国で造られた2ターレル銀貨です。1800年代に現在のドイツおよびオーストリアの諸侯国で2ターレル共通規格の大型銀貨が発行されましたが、このコインもその一つです。表面は公国の領主ヴィルヘルム(在位1830-1884年)が描かれていますが、このコインが発行されたのは1854年ですのでヴィルヘルム50歳前後の肖像ということになります。白眉は公国の紋章が描かれた裏面の方で、ご覧のように刻印といい打刻といい、素晴らしい出来栄えです。この銘柄には前期(1842年-1850年)と後期(1850年-1855年)がありますが、本貨は1854年に造られた後期(KM-1140)のものです。発行枚数は後期が圧倒的に多く、本貨1854年には約25万枚が発行されています。なお、ときいろでは以前1855年の同銘柄を販売したことがありますが、本貨1854年銘は1855年銘(約62万枚発行)よりやや高値で売買されます。
発行枚数という点では、同時代の2ターレルにしては多いほうですが、同時代のフランスで発行されたナポレオンの5フランは、年によっては数百万枚というオーダーで発行されていますし、また少し時代は下りますが明治の日本で発行された一円銀貨は、年によって数千万という単位で発行されています。
さてこのコインですが、状態はPCGSの評価でMS63とまずまずの状態で、肖像面の髪の毛の高い部分は少し摩耗していますが、MS63の評価は妥当なところだと思います。ウラ面オモテ面ともに時代相応の古色を帯びたトーンが美しく、手が加わった痕跡がありませんので、所有者ができるだけ手を加えず今に引き継いできたのだと思います。ウラ面はこの時代の2ターレル共通の精緻なデザインで、ドイツ人の好みがよく出ていると思います。
なおPCGS社の鑑定分布をみますと、1854年銘は鑑定総数が3枚のみ、MS63は単独の最高鑑定です。
■サイズ:直径約41ミリ、重さ約37.1グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるPCGS社の鑑定ずみケースに入っております。真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求めください。
■ゆうパックまたはクロネコヤマでお届けします。
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