オンラインショップ「ときいろ」

□状態：NGC-Ch VF Strike4/5,Surface3/5　edge scuff

このコインは今のトルコにあったミュシアのランプサコスで、BC500-540年あたりに造られたスターテルです。金貨としては最初期のものでエレクトラム（＝自然金）で造られています。この時代は自然に採掘された金を精製して純度の高い金を作る技術はまだなかったので、このコインのように自然界に存在するエレクトラムで金貨を造っていたのです。エレクトラムは川底などで採掘される金と銀の合金で、自然のままにあったものなので金と銀の成分費が一定ではありませんでした。中には白っぽく銀貨のようなエレクトラム貨もありますし、金の純度が高く金色に輝くものもあります。ご覧のように本貨は金色に輝いており金品位の高さをうかがえます。
 
このコインの二つ目の特徴は重量です。一般に古代には金属を薄く延ばすコイン文化がなく、丸い金属をハンマーでたたいただけのものが多いのですが、このコインもそのような古代コインの特徴を備えています。写真をご覧いただいてお分かりのように直径が小さいわりに厚みがあり、重量感と古代の趣があるコインです。重さは15グラムを超えており、金の採掘量が少なかった古代にしては大型の金貨といえます。なおデザインされているペガサスは羽が生えた馬で、古代ギリシャ神話に登場する生き物です。
 
このコインのフリードバーグカタログの評価はVFクラスで6500ドル、EFクラスで30,000ドルとなっています。古代ミュシアでは本銘柄をふくめ、「若い兵士」「ゴルゴン」「ひつじ」など個性的な図柄のコインが造られましたが、本貨「ペガサス」は最もカタログ評価の高い銘柄です。ご覧のようにNGCの評価はCh VF Strike4/5,Surface3/5とマズマズですが、残念ながらedge scuff（エッジ・スカッフ＝ふちの小傷）のネガティブコメントが付いています。写真をみてもわかりますが、これは流通時にできたスカッフではなく、製造時点にできたものでしょう。当時のコインは地金の金属をハンマーでたたいて打刻しますが、ハンマーを打つ力の加減によってしばしばこのような裂け目がフチにできるのです。なお裏面は「ハンマー打ち面」の反対側にできた角状の刻印で、地金を置いた台の模様が写っているだけです。
 
このコインは安く入手できましたので、「ときいろ」の販売価格も安く設定させていただきました。この状態のミシュア・スターテルを、この値で入手するのは難しいと思います。「ときいろ」はコイン収集家やコイン投資家の皆様に、良いコインを少しでも安く購入していただくため、店主が一点一点吟味したコインを、世界中のオークションやコイン商から安価に入手しております。