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□状態：PCGS-PR65 Deep Cameo

イギリス統治下の1870年、インドのカルカッタで発行有れた10ルピー金貨（リストライク）です。この銘柄にはヴィクトリアの肖像が若い時代のもの（Young Bust）と、成年時代のものが（Mature Bust）あり、本貨は後者です。この銘柄のNGC/PCGSによる鑑定実績をみると、両社あわせて24枚で（2021年3月現在）、市場に出てくる頻度も低いので残存枚数はかなり少ないと思います。
 
さてこのコインですが、写真をご覧いただいてお分かりにように、フィールド部分（何も描かれていない地の部分）は鏡のように強い輝きがありますし、プルーフ仕上げコインによくみられるヘアラインも目立ちません。それとは対照的に肖像部分は美しいつや消し状になっており、それがいっそうヴィクトリアをを引き立たせています。
 
PCGSはご覧のようにこのコインをPR65 Deep Cameo と鑑定しています。Deep Cameoは、プルーフ仕上げのコインの中でも最も鏡面部分が美しいコインに対して与えられる評価です。この銘柄に限らずプルーフ仕上げのコインの場合、フィールド部分は大変キズつきやすく、ほんちょっと布でぬぐっただけでも細かいヘアラインが付いてしまいます。もちろん程度によりますが、Deep Cameoと評価されるためには、そのようなヘアラインは極力少なくなくてはなりません。なおPCGSによる評価は、PR65⇒PR65 Cameo⇒PR65 Deep Cameoの順で高くなります。
 
余談ですが、PCGS社のDeep CameoはNGC社のUltra Cameoに相当いたします。
 
上記のように本貨の評価はPR65 Deep Cameoですが、PCGS社による本銘柄の鑑定数は1枚だけしかありません。これに対しNGCは23枚鑑定しており、NGC鑑定の内訳は以下の通りです。
PR：16枚
PR Cameo：4枚
PR Ultira Cameo：3枚　←ココです
 
いかにDeep Cameo(NGC社ではUltla Cameo)の稀少性が高いか、おわかりいただけたと思います。もちろん市場での評価もこれに準じます。なお数字の方をみてもPR65は極めて高い状態で、NGC社の鑑定数23枚のうち上位5枚に入ります。
 
サイズは22ミリと小さなコインですが、上記のように大変良い状態のコインです。ここのところインドコインは古代から近代に至るまで見直しが進んでいますが、このコインもまた将来期待が持てると思います。