□状態:NGC-XF45(VF)
このコインは1661年にドイツのミュンスターで造られた2ターレル銀貨で、都市景観コインの2ターレルは希少品です。
このコインが発行されたのは1661年ですが、その前年にクリストフ・ベルンハルト・フォン・ガレン司教軍(司教でもあり侯爵でもあったことから「侯爵司教」と呼ばれていたそうです)の包囲によって当時の自治都市ミュンスターは陥落し、その後ミュンスターはガレン司教の支配下に置かれます。ガレンは占領したミュンスター城の一部を改修し強化したといいます。ミュンスターの都市景観コインには、このコインのように城壁と堀が描かれたものがありますが、このコインに描かれた城壁はガレンが強化した城壁の一部かもしれません。当時のヨーロッパではときどき五角形の星型城壁を持った街がありますが、このコインにもその城壁が描かれています。そういえば北海道にある五稜郭も、ヨーロッパ形式で造られたそうですね、五稜郭も前面から見ればちょうどこんな形ではないでしょうか。
1700年を中心に造られたヨーロッパの都市景観コインは、当時の都市景観を描いた優美なデザインが主流です、コインの上部には教会や市庁舎などが描かれ、その下部には大きな河川とそこに浮かぶ船です。この銘柄のように城郭と、その前面に堀が描かれたものは少ないのではないでしょう。
さてこのコインですが、上空には雲に乗った聖人が描かれており、その下にはミュンスターの市街です。ミュンスターの前面は上記のように城郭と堀によって守られていて、フチの部分には年号1661がローマ文字で書かれており、3時から6時にかけては領主CHRISTOPH BERN(クリストフ・ベルンハルト)の名前が刻印されています。
状態はNGC社鑑定でXF45です。同銘柄の1ターレルはしばしば市場に出てきますが、2ターレルはめったに出てきません。なおこのコインの重さはしっかりと56グラム以上ありますが、直径は約46ミリと同時代の2ターレルの標準的なサイズに比べると一回り小さい印象を持たれるかもしれません。ケースに入っていますので厚みは計れませんが、ピエフォー(倍厚のコイン)のように分厚いコインです。
NGC社の本貨に対する評価はXF-45ですが妥当な評価だと思います。ご参考までにこの銘柄のKMカタログ評価はEF40で3,350ドルとなっています。(Standard Catalog of World Coins 7th Edition)
<ご注意> 8枚目に映っている古代コインは比較のためのコインで付属しておりません。
■サイズ:直径約46ミリ、重さ約56.5グラム
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定済みケースに入っています。真贋は同社によって保証されていますのでご安心ください。
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