□状態:NGC-AU Strike5/5,Surface3/5
ボスポラスという地名はアジアとヨーロッパを結ぶ海峡の名前として今も残っていますが、歴史をさかのぼると紀元前400年代に成立したボスポラス王国にたどりつきます。この古代王国は黒海の北部クリミア半島を中心として栄えたそうで、時代が下るに従ってギリシャ・ローマの勢力下におかれるようになり、このコインが造られた時代にはローマの属州になっていました。
さてこのコインですが、おもて面はAD211-227年にボスポラスの王位にあったレスクポリス2世が描かれており、うら面には当時のローマ皇帝カラカラ(在位211-217年)が描かれています。このことからも当時のボスポラス王国がローマの強い影響下にあったことがうかがえます。
なおこのコインは同時代にローマで造られていた金貨アウレウスに比べ、やや金の色が薄いとお感じになるかもしれませんが、それは本貨が自然金(エレクトラム)で造られているからです。エレクトラムといえば古代リディアのスターテルなど初期の金貨によくみられますが、これはボスポラスの金属精製における技術的後進性を示しているのではないでしょうか。
なおNGC社による本貨の評価をみますと、Strikeは5/5ですがSurfaceは3/5となっています。Surfaceはコインの表面を評価する項目なのですが、1番目や4番目のおもて面の拡大写真をご覧になるとレスクポリス2世の目の上がわずかに「擦られた痕跡=scuff」があるのがわかります。これが本貨のSurfaceが3/5にとどまる理由だと思います。なおその点を加味しても本貨はこの銘柄にしては状態の良い部類に入ります。
ご参考までに先月(2020年10月)開催の国内オークションで、ボスポラスの次の王様時代に発行されたコイン(サウロマテス1世、NGC-Ch XF Streike5/5,Surface4/5)が出てきましたが、総費用ベース19万円弱で落札されています。なお両貨の相場に違いはありません。
■サイズ:直径約19ミリ、重さ約7.57グラム、自然金
■本貨は、アメリカの大手鑑定会社であるNGC社の鑑定ずみケースに入っております。真贋は同社によって保証されておりますのでご安心の上お買い求めください。
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