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このコインは古代マケドニアのアレキサンダー大王時代に鋳造されたスターテルと呼ばれる金貨ですが、実際にはアレキサンダー大王の死後、彼の領土であったバビロニアで発行されました。
 
おもて面は知恵の女神アテネで裏面は勝利の女神ニケ（ナイキの語源）です。本コインの重量は約8.5グラム、直径は約17.5ミリメートルと私たち現代人から見ると小ぶりな金貨ですが、古代の地中海世界やメソポタミアではさほど金が採れたわけではなく、これでも大型の金貨に属します。この金貨は古代金貨で最も人気があるコインですが、多くの個体は状態がさほど良くありません、写真のようにケース状の表記をご覧いただくと
 
MS★
Streike:5/5
Surface:4/5
Fine Style
 
と書かれています、まずＭＳの意味ですがこれはミント・ステート（未使用状態）を意味しています、さらにその右に★がついていますが、これは未使用状態の中でもさらに状態が良いコインに対してつけられるしるしです。古代のコインは上記のようなアルファベットでの状態表記に加え、打刻の良しあし、表面のキズの有無をそれぞれ5段階で評価します。Strike は打刻の良しあしで、ご覧のように本個体は5段階評価で最高ランクの5評価となっています。Surfaceは表面の状態ですが、これも上から2番目の4と評価されています。さらにその下にFine Style とありますが、これはコイン全体を見た場合のバランスが良いコインに与えられる加点とお考え下さい。
 
このようにこの個体は表面にわずかに1つ減点があるだけです、ほぼ完全な状態で、とても2000年以上前に作られたコインだとは思えません。この銘柄は比較的よく市場に出てきますが、このような好状態の個体は稀です。昨今イギリスをはじめヨーロッパの金貨の相場が急騰していますが、古代コインはその希少性のわりには安値に放置されている感があります、その意味で将来性のあるコインだといえるでしょう。
 
古代コインのコレクターにとっては外せないコインです。